「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」第40話(最終話)
「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」(寂寞空庭春欲晚)、第40話(最終回)。
読み物が話の終焉を迎えるような、そんな最終回。このドラマの英題が「Chronicle of Life」なのですが、この英題に合った終わり方でした。
主人公の立場が皇帝であったからこその物語であり、彼が愛というよりも恋に落ちたという意味では、邦題の「皇帝の恋」はとてもしっくり来ます。
それでいて、角度を変えて見ると、琳琅と容若の物語としても成立するほどにこの二人の関係もしっかり描かれているので、皇帝と琳琅の話、というよりも、琳琅がいたあの頃の物語、といった感じがします。
ハウィック・ラウ(劉愷威)が皇帝を演じ、ヒロイン鄭爽よりもさらに若い息子のような張彬彬が容若を演じるという組み合わせも良かったです。ハウィック・ラウは時折おじさんパワーを発揮するのですが、皇帝が単調にならなかったのはハウィックさんのおかげ。アクションお披露目シーンはなぜかちょっと笑えるのですが、若者張彬彬とは一線を画する出来栄えでさすがベテランの演技でした。一方の張彬彬は、容若を演じたことで張彬彬が魅力的に見え、張彬彬だからこそこの容若になるという、双方向に効果的なパターンだったと思います。この人のどこか影ある雰囲気と、それとは正反対の今どきの若者感が、とてもいい具合に容若を色づけてくれました。
琳琅ははっきりしない部分も多く、見せ方によっては見る側がいら立ちかねないと思いますが、鄭爽の演技力なのかちょっとした台詞や演出なのか、琳琅のことを、このはっきりしない状態のまま受け入れられました。鄭爽はかわいいです。琳琅の気持ちを描くというより、琳琅を受け身の位置に置き、外から見た琳琅を描いているような感じも良かったのかもしれません。
以下、ネタバレあります。
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「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」第39話
「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」(寂寞空庭春欲晚)、第39話。気づけば残り2話でした。
開始早々、「第39話『容若の献身』」の文字。すでにかなり献身的なのに、これ以上尽くされるのかと思うと、不安しかありません。
容若を演じている張彬彬は、ジェン・シュアン(鄭爽)主演の「シンデレラはオンライン中!」(微微一笑很傾城)にも出演していますが、少し前に日本放送された回にようやく登場しました。食堂のお兄ちゃんとして。濃いというかくどいというか、ものすごく個性的な顔立ちに見えます。そして大きい。眉毛のおかげかコック帽も似合います。琳琅(鄭爽)がいるのにまったく気に留めない張彬彬は新鮮です。
以下、ネタバレあります。
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「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」第33話・第34話
「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」(寂寞空庭春欲晚)、第33話・第34話。皇帝の恋をベースに流しつつも長慶のタームへ。
このドラマ、長慶と容若は、とても声で得をしている気がします。単にいい声、という意味ではなく、声から伝わるものがあり、言葉がわからないにも関わらず心動かされます。
長慶の声を担当しているのは張杰。この方はベテラン人気声優なのか、リストの中には日本放送されたドラマもたくさんありました。「古剣奇譚」の屠蘇(李易峰)、「美人心計」の劉盈(羅晋)、「甄嬛傳」の温太医(張曉龍)といった、心身ともに二枚目路線の役から、「金玉良縁」の柳文昭のような残念男まで(柳文昭は本来、もう少し魅力ある男に仕上がってもいいと思いますが)。知っている役がたくさんあります。
容若の声を担当している辺江の配音リストにも、視聴したことのあるドラマがいくつもあるのですが、張杰と同じ作品も多く、並べてみるとなかなかおもしろいです。
容若(辺江)と長慶(張杰)は、
「大漢情緣之雲中歌」:劉詢(陳暁)と孟珏(杜淳)
「金玉良縁」:元宝(霍建華)と柳文昭(王陽)
「古剣奇譚」:陵越(陳偉霆)と屠蘇(李易峰)
「美人心計」:劉武(張曉晨)と劉盈(羅晋)
になっています。
二人とも長慶役の張曉晨の声を担当したことになりますが、「美人心計」の劉武の時は、とにかく顔の濃さが印象的で、声は記憶にありません。
以下、ネタバレあります。
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