「夏の協奏曲」 第1話から12話まで
「夏の協奏曲」(戀夏38℃)、アジアドラマチックチャンネルさんで再放送が始まったので見てみました。
このドラマは、とにかく映像がきれいです。
自然はもちろん、街並み、人々の暮らしぶり、文化、そういったものが美しい映像によって綴られています。
初回だけたっぷり景色が映る、という、ときどき見かけるご当地ドラマとは一線を画する出来栄えです。
この記事ではネタバレをしていないつもりなのですが、なんとなくわかってしまうかもしれませんので、それでも大丈夫!な方は「続きを読む」をご覧ください。
このドラマ、映像だけではなく、物語にも金門の人々の暮らしや文化がしっかり組み込まれていて、金門の観光プロモーションを兼ねたドラマという面で素晴らしいです。
製作側の強い金門愛を感じます。
金門愛が輝く一方、序盤については、ちょっと主要人物が弱く、やや散漫にドラマが流れていくのがもったいないと思いました。
そんな序盤ですが、沙虫(沙蟲)を演じる是元介は最初から存在感があります。
女性陣や許磊が薄味なので、この人が目立つだけかも、とも思いますが、人物像がよく表現されているので、沙蟲という人を理解しやすく、彼の物語が自然と膨らみます。
番組紹介のあらすじを見れば、阿寛と小青が恋仲になるのは明らかなのですが、意外になかなかくっつきません。
阿寛を演じるジョージ・フー(胡宇威)は、いかにも善良で健康的な青年といった以前の(当時の)魅力を発揮しています。
最近の自信のある男風もいいけれど、やはりこういうジョージ・フーはいいですね。
この役は、善良な青年であると同時に複雑で強い思いも抱いているので、その辺りの葛藤がもう少し伝わってほしい気がしましたが、そんな悶々とした思いも、あの武術が消し去っていきます。
自転車をこぐ、バッティングセンターで打ちまくる、武術の型を見せる、ただそれだけで視聴者のモヤモヤを消し去れるジョージ・フー。
阿寛のお相手、小青を演じる吳映潔はとてもかわいいです。
でも、小青は、けっこう、ふつう。
李静(李靜)は最初から邪魔者ポジションで十分にお邪魔なのに、予想外にかわいいところのある人で、10話辺りでは一瞬李静寄りになりそうになり、ぐっとブレーキをかけました。
外見や役柄の割に意外とキツさがないのはこの女優さん(苑新雨)の持ち味のせいかもしれません。
それでも基本、お邪魔な李静。
あの髪型だけは慣れません。
序盤、いまひとつ乗れないリズムでしたが、だんだん面白くなってきました。
見失ったら探す羽目になるのはわかっているのに易々と見失うとか、バレバレに好きなのになんだその驚き、とか、細かい突っ込みどころはありますが、ストーリーの骨子はしっかりしているので、これからの展開が楽しみです。
このドラマの邦題は映画版からとったようで、きれいにまとまっていると思ったのですが、いざドラマを見てみると、原題の38度や、英文タイトルのSummer Fever の方がピンとくる内容で、いつものことながら、邦題って難しいなあと思いました。