天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

台湾ドラマや中華なドラマの感想を書いています。吳慷仁が好きです。

「夏の協奏曲」 第24話から第27話まで

「夏の協奏曲」(戀夏38℃)、第24話から第27話まで。最終回である第30話まで録画を終えたのですが、見終わった第24話から第27話までについて先に書きたいと思います。

 

中盤あたりまで、お話よりも観光プロモーションとしての完成度の高さが際立っていた「夏の協奏曲」ですが、後半になってお話の方も盛り上がってきました。テンポアップしてきても、登場人物それぞれの気持ちがきちんと描かれているのがいいです。

 

以下、ネタバレありです。

 

 

 

登場人物たちの夏、ということでは、最初にひとつの結末を迎えた沙蟲と鴨子。

沙蟲が鴨子にキスをするシーンを見て、こんなに嬉しくなるとは思いませんでした。鴨子に思い入れがあったわけでもないのにこんな風に思えるなんて。沙蟲を演じている俳優さんは上手いですね。

病院に着くなり盛大に泣くので、これは絶対に騙されるシーンだわ、と思いましたが、そこでしらけることもなく、幸せになった二人にじーんと来ました。沙蟲と鴨子にはこのまま金門で幸せな人生を送ってほしい。

 

そして、そんな幸せとは正反対に、だんだんと小青の病状が悪化していきます。彼の中では美しいままでいたい、そういう小青の思いは、この年代の女の子の気持ちとしては理解できますよね。トイレの中で阿寛の言葉を聞く小青、つらいです。

精一杯生きる小青と好青年阿寛。ぐっと引き込まれたいところですが、ここまで、いまひとつ小青に乗りきれませんでした。

毅然とした姿や病気があるからこそ頑なになってしまう姿まではいいのですが、前回の後半のように、ちょっと意地悪な香りがするんですよね、小青。

演じている吳映潔はかわいいのですが、第23話までのところでもう少し清らかな存在感を感じたかったと思います。

 

とはいえ、ジョージ・フー(胡宇威)がヒロインを大事にする恋愛モードになっただけで十分。ヒロインがタイプかどうかわかりやすいジョージフー。今回はOKなのよね。

 

許磊はいい人ですよねえ。李静の嘘を知っても彼女を見限らずに諭したり、小青を元気づけたり、阿寛に責められても立ち聞きして知ったとバカ正直に答えて小青の思いを代弁したり。李静にも、小青にも、阿寛にも誠実です。

そしてまたもや、一番に小青と天晴の入れ替わりを知るという、苦悩ポジションに来てしまいました。勘もいいものね。

隠してほしいという小青の願いを叶えても、あるいは真実を告げても、誰かからは失望されてしまうであろう役回り。そんな中、最後まで小青を支え続ける許磊は、周囲の人の気持ちにも良く気づき、知的な対応が素敵でした。

この人、地味顔でこんな役なのに、なぜかそこはかとなく軽い兄さんの香りが漂うのが不思議です。

                                

合唱コンクールのシーンは泣けました。小青が教えてきた子供たちの歌を、天晴が代わりに指揮し、会場では金門の人々が見守る。阿寛が撮影し、その映像を見る小青と、合唱の様子を見せるように尽力した許磊。一瞬、最終回かと思ってしまいました。

 

でも、終わるわけがありません。番組説明にあった双子の妹による身代わりはまだ始まったばかりなんですから。ハジメちゃんの視力回復もびっくりのネタバレ番宣です。

 

双子の妹、天晴は、病に倒れた姉の願いならば身代わりとして過ごすこともいとわないのでしょうけれど、双子とはいえ中身は別人です。天晴にも彼女の心があります。一日だけではなく長い時間を小青として過ごせば、彼女自身にも心の動きがあるはず。周りの人にも、天晴との時間が積み重なっていきます。携帯登録を「小青2号」にしたり、「陳文青加油」と叫んだり、小青を気遣う天晴ですが、天晴と過ごす阿寛は何も知りません。

もしも阿寛の立場なら、小青の具合がどんなに悪くてもそばにいたいと思うでしょうし、偽物の小青と過ごしていたとわかったら、傷つくのではないでしょうか。そして天晴も、小青の願いとはいえ、いつかこの時間を過ごした責任を感じてしまうのではないか気がかりです。

 

このあたり、どうやって伝えていくのか、どんな風にみんなが受け止めていくのか、とても気になりますし、ドラマとして興味をひくところです。

天晴が傷つかないことを願いますが、嘘って、最後は皆を傷つけてしまうものなのよね。