天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

台湾ドラマや中華なドラマの感想を書いています。吳慷仁が好きです。

「一把青」 公視で本日放送開始

吳慷仁が主演している「一把青」が今日から台湾の公視にて放送開始です。全30話、毎週土曜日に2話ずつ放送されます。

1か月ほど前から様々な宣伝活動があり、どこかのタイミングで取り上げたいなあと思っていましたが、今日になってしまいました。

 

「一把青」は、白先勇という作家の同名小説を原作としたドラマです。小説の方は「台北人」に収められた短編小説で、文字数にして一万字少々らしいのですが、ドラマの方は30話あります。一万字少々といえば文庫本の十数ページ。それが30話にもなるのですから、原作があるといっても、原作は骨子であり、核であり、そのままの世界を映像化する場合とは大きく異なりますよね。精選された言葉で凝縮して表現された世界を、今度は枝葉を豊かにしながら映像に起こして紡いでいくことになるのでしょう。監督をはじめとした作り手がどのような世界を描いたのか楽しみです。

 

ヒロインは朱青。吳慷仁と一緒に宣伝活動に参加していた初々しい連俞涵が演じていますが、どうやらクレジットでは彼女の名前が一番先には来ないようです。

ここ最近の報道などを見ていると、シェリル・ヤン(楊謹華)や天心の名前が先に来たり、それぞれの相手となる楊一展や藍鈞天の名前が先に来たりしています。女性の世界を描き、ネームバリューのある女優陣を中心にするのか、あるいは楊一展とシェリル夫妻を軸に据えるのか、などと想像していましたが、数日前にネット上で公開された第一話のオープニングを見ると、ちょっと違いました。最初が天心とシェリル、次に楊一展と藍鈞天、3つ目に吳慷仁と連俞涵、そしてそのあとはスタッフの名前しか出ません。これはうまいと思いました。男性陣をまとめるでもなく、夫婦ごとでもなく、これはうまい。

 

クレジットのされ方は、俳優のネームバリューの影響もあるでしょうけれど、ドラマがどの人物を中心に描かれるのかや、登場人物をどう扱っているのかということも見えてくるので、その点において興味深いです。

 

吳慷仁が演じる郭軫は、新聞でもわかるあらすじレベルで、途中からいないことはわかっています。そういうお話ですから、いません。ドラマでどのように描かれるのかはわかりませんが、出ていない時間が長くても強い印象を心に刻めるような存在感を放ってくれたらいいなあと期待しています。

 

この役に自分は相応しくないと吳慷仁自身が思っていたという話は以前に書きましたが、彼が思う理想の郭軫は、“身高至少182公分,胸圍42吋,腰圍30,瀟灑自傲、玉樹臨風,是一個體態、個人魅力各方面都非常完美的男人,而且飛行技術一流!”。ふだんの吳慷仁の個性とは確かに違います。ただ、彼の中にもこういう要素はあると思いますし、それを引き出してもらったらとても魅力的になるはずです。それに、これは郭軫の表向きのイメージですから、ひとりの人物として吳慷仁が演じたときにどんな厚みを増していくのかはとても楽しみです。

 

ちなみに吳慷仁が最初に演じたいと思っていたのは小顧で、自分に比較的似ていると思ったのだとか。小顧は朱青を愛する郭軫の後輩で、朱青が結婚したあとも愛し続けるようです。

 

宣伝活動を見ながら、出演者の年齢が気になり、見てみました。現在の年齢ですが、隊長の楊一展(35歳)、隊長妻の楊謹華(38歳)、副隊長の藍鈞天(38歳)、副隊長と再婚する天心(40歳)、吳慷仁(33歳)、吳慷仁の妻:連俞涵(たぶん29歳)、後輩飛行員の鍾承翰(32歳)、天心の娘(成年後)の溫貞菱(23歳)。30代って、いい時期ですよね。

 

このドラマ、当初シェリルはいませんでした。放送が始まったら書きたくなくなると思うので、今日書いてしまおうと思う代役話です。

 

シェリル・ヤン(楊謹華)が演じた役は、もとはソニア・スイ(隋棠)が演じる予定でした。撮影開始後の辞退で、報酬が桁違いな大陸の作品に出るため、主演が予定されていた大陸俳優が降りたため等と噂されたようですが、実際は妊娠が理由だったとか。もちろん真偽はわかりませんが、まだサインはしておらず、ソニアに辞退の自由はある段階だったと言われています。

中華のサインの時期は以前から不思議なのですが、今回も撮影はされていて、彼女が演じたバージョンのダイジェストも残っています。

 

そして驚いたことに、このソニアが出ているダイジェスト、今見られるダイジェストとそっくりながら、シェリルの役だけでなく、朱青も別人なのです。ソニア版の朱青は溫貞菱、結果的に天心の娘を演じた女優さんです。

さらに、楊一展の位置には別の俳優さんがいます。楊一展については、本人が途中から参加したと話しているのを見たので、ある程度進んでから撮影しているのだと思っていましたが、このような状況だったのですね。

 

両方見た印象としては、やはり連俞涵がいいです。この人のどこか普通じゃない雰囲気が朱青に生きていると思いました。溫貞菱は全体を映した映像でも目を引く女優さんで、もしも彼女が朱青でも魅力的だったと思いますが、連俞涵よりも明るく、吳慷仁との恋愛シーンも連俞涵のそれより爽やかなんですよね。連俞涵の内に何を秘めているのかつかめない感じが朱青に生きている気がします。

連俞涵と溫貞菱については、最初から二人が撮影を開始していたのかな、という気もしますが、取り直しがあるのは確実ですし、こういう撮影は俳優さんも大変だなと思いました。

〔追記〕

ソニア版トレイラーは12月に撮影を終えていたようです。

「一把青」放送開始から1週間 - 天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

 

溫貞菱とのシーンの吳慷仁の方が気のせいか溌剌とした恋愛風の表情で、こっちの方がいいなあと思うところもあり、そこは少々残念な気もしなくはありません。ドラマの公式に載っている写真のうち、一枚、朱青を抱きしめる吳慷仁の写真がありますが、これ、溫貞菱を抱きしめた時の顔だと思うんですよね。すごく好きな表情なので、ここに残っていてうれしいです。

 

「一把青」は日本で放送されるような作品ではありませんし、時代背景の理解も必要でわかることは限られますが、郭軫という人物を見てみたいと思っています。

 

吳慷仁は、「一把青」のあと、映画「顏色失真」を撮影した以外、映画やドラマの撮影はしていません。次の作品に何を選ぶのかがとても楽しみなのですが、先日出ていたトーク番組で、次に出たいのは偶像劇と言っていました。しっかり見ていないので読み間違えていたらすみません。でも、たぶん、そう言っていたはず。もし偶像劇に再び出演するならば、そのときは新しい吳慷仁が見られそうです。