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天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

台湾ドラマや中華なドラマの感想を書いています。吳慷仁が好きです。

「キミをプロデュース」 第19話

「キミをプロデュース~Miracle Love Beat~」(A咖的路)、第19話。今回は、シューユー、リーダー、ムーチュンの3人のシーンに尽きます。

 

このドラマはやはり“A咖的路”。邦題やヒロインの恋愛という面からはウェイジェンのA咖的路に主軸があるように見えますが、実際には、ウィナー・バンドの5人とウェイジェン、それぞれの音楽や夢への道が主軸で、表向き以上に、ウィナー・バンドのメンバーに重きが置かれている気がします。

 

第18話の記事で、もし自分がなるならチアオルーになりたい、と書いたように、ウェイジェンが恋愛として幸せなポジションかと言うと、あまり羨ましくないと言うか、嬉しくないと言うか。いっそ、黒ジアシンだったとしても、それはそれで、立ち直ったあとに振り返ってみれば人生として満ち足りて幸せな気もしたり。

 

このお話の主役は、ヒロインではなく、シューユーなんですよね。シューユーにとっての夢であり、仲間であり、恋であり。だから、8年も続いた彼女が全話の半分まで彼女のままでいてもいいし、微妙な繋ぎ目でヒロインに気持ちが行ってもいい。そこも含めて、男の夢。

 

男1の元カノが登場したり、男1がヒロインと愛し合う前に別の女性に思いを寄せていたり、男1に交際中の彼女がいたり、といったドラマはありますが、普通はヒロインが勝てるように微妙にさじ加減してあるものです。それなのに、ジアシンときたら、

◯大学時代に交際を開始した売れる前からの彼女

◯大学時代に共にバンド活動をした“仲間”でもある彼女

◯彼と共にスターへの道を登りつめた苦楽を共にした彼女

◯現在の仕事上のパートナーでもある彼女

◯スターの地位を築いた美しい彼女(見るからに彼好み)

◯あの彼が8年間も交際を続けていた彼女

◯たとえ別の人に思いを寄せられても第三者を寄せ付けない彼女&男1

◯ヒロインでもないのに全26話のほぼ真ん中まで正式な存在で居続ける彼女

これはもう、ヒロインのライバルではなく、ただの大切な彼女です。

 

ときどき悪い子になることが難点ですが、それを彼が許しての8年間ですから、むしろそれだけ彼女を愛しているようにも思えるわけで、難点なのかもわかりません。

ジアシンという女性は、シューユーにとって、過去ではあるけれど、決して消えることのない、後悔のない、大切な青春なのでしょう。

でもですね、ウェイジェン目線で見ている女性チームとしては、そんな大きな青春の思い出を「名前を付けて保存」されているのかと思うと、いくら今が幸せでも、なんとなーくすっきりしないわけです。

 

でも、これはおそらく、ジアシンを含めたメンバーのA咖的路。オープニング映像も、エンディング映像も、シューユーとウェイジェンではなく、ウィナー・バンドのメンバーとウェイジェン、チエンルイで、二人きりにはしてくれません。

 

以下、ネタバレあります。

 

 

 

もう今回は、シューユー、リーダー、ムーチュンの3人のシーンで満たされてしまいました。結婚式の夜だというのに、リーダーとシューユーを誘い、関係を修復しようとするムーチュン。普通なら新婦が気の毒になるところですが、彼の新婦はウィナー・バンドのチアオルーですから、ムーチュンの気持ちはわかり過ぎるほどわかるはずです。

 

献血売血かな)をして楽器のローンを払うもムーチュン倒れる、のエピソードは、映像にしてくれたことで、ウィナー・バンドの過ごした日々を感じられますし、そのあと涙している3人の気持ちに自然に入り込めるのでとてもよかったです。ニット帽のリーダーが意外にかわいい。

 

音楽業界から離れたムーチュンが、そのときの採血証を持っているんですよね。これは綺麗な話だけれど、綺麗な思い出にできるからこそでもある。黒リーダーが、ムーチュンは安定を求めて音楽を捨てた、シューユーは自分の理想を振りかざして俺とジアシンを捨て去った、そんな二人に意志や情熱を語る資格があるかと言いますが、これも間違いではないはずです。何かを選ぶために、仕方がなかったり、「捨てる」つもりはなかったりしても、手放したことには違いない。

 

リーダー自身、誤解していたり気づいていない点もありますが、彼の気持ちもわかります。シューユーに向かって、以前のお前のようにジアシンを愛している、誰よりも、傷ついた彼女を見るのは何よりつらい、だから彼女のためなら何でもする、と激しい口調で言うリーダーは、なんだか泣けました。

 

なんでこうなったんだろう、というリーダーのつぶやきに答えたシューユーの台詞が、すべてを表している気がします。

ムーチュンとチアオルーは結婚を選び、リーダーはジアシンを守ることを選び、ジアシンは歌を選び、自分も自分の道を行く、選ぶ道が違う、自分に正直になっただけ、ただそれだけ。

 

リーダーは、それを肯定し、自分は別の道を行く、仲間は要らないと言って去っていきます。このときのムーチュンとシューユーの表情が印象的です。ムーチュンの手元のお酒が涙のように溢れ続けます。

 

現実を認めなさい、というジアシンの台詞は、そのまま彼女自身に伝えたい。

自ら情報を売るという手段まで取るジアシンですが、それでも、シューユーの前で涙する姿は本心に見えます。ここで、盗撮のカメラを意識して悪い微笑みでも見せたら単なる嫌な女と思えるのに、ジアシンにはそんな余裕もありません。早くジアシンにシューユーのことを忘れさせてあげたいです。

 

なんとも息苦しい展開です。