天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

台湾ドラマや中華なドラマの感想を書いています。吳慷仁が好きです。

「結婚なんてお断り!?」 第10話

「結婚なんてお断り!?」(必娶女人)、第10話。部屋に入ってジャケットを投げるジャスティンがかっこいいです。

 

今回は「不完美心跳」もしっくりきました。

 

以下、ネタバレあります。

 

 

 

ションナン(勝男)への復讐心からジャスティンを奪うつもりだったのに、心が動いてしまった環真。ジャスティンに傾く自分の心に必死に抵抗していますが、抗えるとはとても思えませんし、抗えたら終わってしまいます。でも、それ以上に、そもそも抗う必要があるのかが疑問です。花畑デートのシーンで、環真の声がジャスティンについて「愛してはいけない人」と言いますが、別に愛しても問題はないはず。嘘から出た実でいいのにね。何か見落としているでしょうか。

 

一方のジャスティンは普通に環真を好きになっているように見えますが、自覚的にはそうでもないようで、まだ見えていない裏があるのか、ちょっとつかみきれません。

 

今回の目玉その1、花畑デート。あれはさすがに恥ずかしいです。

花畑のど真ん中にテーブルを出し、側には「LOVE」という文字や風船を飾り付けて小洒落たランチ、普通ならドン引きです。近くにビニールハウスが見えるので生活感が溢れる上に、いつ農家の方がお仕事にやってくるかと思うとそちらも気が気ではありません。もっと落ち着ける「小惑星」はなかったのか、ジャスティン。

とはいえ、そんなシーンも綺麗な二人が爽やかに演じると絵になってしまいます。綺麗な人はお得です。

ロイ・チウ(邱澤)は隣の家のお兄ちゃんっぽさがまったくないのですよね。この隣の家のお兄ちゃんっぽさ、というのは、単に垢抜けているか否かとは別の要素で、親しみやすさともまた違うと思うのですが、この人にはまったく感じません。いい意味でフィクションの世界が綺麗に決まる俳優さんだと思います。

 

ジャスティンと環真が本心を語りだすメリーゴーランドのシーンにちょっと唐突な印象を抱き、直後の部屋のソファーに倒れこむ熱いラブシーンに一気に引き込まれ、メリーゴーランドの違和感なんてどうでもよくなるくらい二人の世界に浸っていたら。

…。

花畑デート、メリーゴーランド、熱いキスシーンと続き、ここからは恋愛ドラマ路線にシフトしていくのかと思っていたというのに。ものすごいハンドリングでコミカル路線に変更です。荒い運転の車に乗っているかのような急展開のおもしろさがありますが、勝男がやってくるのではなく、最初から勝男がいた、というちょっとした角度の切り替えに小気味よさを感じます。

 

ジャスティンに騙されたと思い部屋を飛び出した環真を追ってきたジャスティンですが、勝男は妹だとは言いませんでした。でも、環真はついに真実を告げます。

環真とジャスティンの幸せを思うと勝男は完全に迷惑な存在なのですが、二人を追ってきたときの勝男の、どうしよう…といわんばかりの表情に、邪魔には思えなくなってしまいました。出勤してからも反省したりして、環真のことを思えば意地悪度はかなり低いというのに、真っ直ぐでかわいい勝男です。

 

せっかく二人が本気になって接近したのに誤解によって環真が傷つく、というのはちょっと悲しい感じもしましたが、そのおかげで本当は騙していたことも話せたし、騙し合いを清算することは必要だったし、環真にとっては良かったはず。

環真がジャスティンに近づいた理由も、本心も、ジャスティンに伝わりましたが、環真はジャスティンの本心も「元カノ」の真実も知りません。後になればなるほど、実は妹だった、というオチは環真に重く響いてしまいそう。このコミカルな基本路線の中、シリアスな話がどんな風に組み込まれていくのか、そしてどんな風に二人が近づいていくのか、先が気になります。

 

このドラマの「白」はやはり意図して使われているようですね。花畑の花は白いカラー、環真の服も白、ジャスティンはジャケットを脱いで白、風船も白、薔薇も白。何か深い意味があるのかな。