天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

台湾ドラマや中華なドラマの感想を書いています。吳慷仁が好きです。

「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」第18話・第19話

「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」(寂寞空庭春欲晚)、第18話、第19話。すっかりはまってきました。

 

以下、ネタバレあります。

 

 

 

8歳で即位し10歳で母に先立たれたと琳琅に身の上話をする皇帝。オーバイを捕えた時はあれでも16歳になっていたのですね。人を好きになる喜びを知った、琳琅が同じ思いではなくても仕方ない、美しい思い出を与えてくれたことを感謝している。急に物分かりがよくなった皇帝にこちらが戸惑います。

穏やかな様子で、琳琅の前では一人の恋する男でいられると話す皇帝に、琳琅は揺らぐのかと思いましたが、そう簡単ではありませんでした。もうかかっていない首飾りの位置に手を当て、明らかに容若を思っている琳琅。容若の目の前で首飾りを投げ捨て、容若のことも刺したけれど、今もまだ彼への思いは消えないのですね。

 

容若が皇帝に呼ばれ、琳琅と二人、皇帝の前に並びました。ここで杯が登場。またもや偽毒薬作戦。今度は、琳琅が自ら杯を賜ると申し出ますが、琳琅が杯を手にする直前、容若がそれを奪い取りました。もう当てられっぱなしの皇帝。自業自得といえばそれまでですが、目の前で命がけの相思相愛っぷりを披露されてしまいます。

このときの容若の言葉は、とても容若らしいです。あくまでも臣下の立場を逸脱することなく、忠心も信義も欠いていた、信頼を裏切った罪を命をもって償うと言うのですが、その言葉自体に、彼の忠心や信義を感じます。

結果、今回もまた毒薬ではなく、死をも恐れず愛し合う琳琅と容若の姿を確認した皇帝は、二人の結婚を許す勅命を下します。皇帝、えらい。

が、断る琳琅。

琳琅は、死んでも容若には嫁がないと答え、容若と結婚しないなら一生皇帝に仕えよと迫る皇帝の言葉に応じてしまいます。

ああ、容若があんな嘘をつくから…。

容若と結婚したらドラマにならないので、結ばれないとは思っていますが、それでも、これだけ容若を思い続けている状態で断る琳琅に、二股への嫌な予感を抱きます。琳琅が容若を受け入れられないのは、彼が両親の仇でそれを隠してきたと信じているからですが、それは容若が琳琅を守るためについた嘘。自分を悪者にしてまで琳琅を守った容若と、今は気づいていないものの本来の仇である皇帝。この先、皇帝の方に傾いていくにしても、容若を受け入れられなかった理由はいつかは消え去り、皇帝の方にやってくるのですから、琳琅に穏やかな日々が来るようには思えません。

 

自分を愛さない、しかし容若との結婚を許せば断る、そんな琳琅に混乱する皇帝は、3人の中で唯一事情がわかっていないだけに、非常に気の毒です。

 

端嬪は一度の琳琅への意地悪が皇帝に見破られ、お仕置をされてしまいます。他の後宮ものならノーカウントではないかと思うほどの意地悪で、この程度でも早々に対処される辺り、琳琅は恵まれていると感じます。こわい後宮ものの見過ぎかもしれません。

その端嬪に、長慶が、琳琅と容若の私通を密告します。長慶が亡き妹に贈るはずだった髪飾りを琳琅が壊し、芸初との仲を邪魔したことへの報復でしょうか。序盤、のんびり視聴していたので、他に思い当たることがありません。

 

琳琅と容若の私通の証拠を作るために、長慶が容若の酒に薬を仕込みました。容若のもとに琳琅を連れて行くはずが、手下が誤って、翠雋に声をかけてしまいます。よりによって容若に思いを寄せている翠雋が琳琅と間違えられてしまうのですね。琳琅だと思い抱きつく容若、驚きつつも容若に思いを寄せる翠雋は容若を支えて部屋に入ってしまいます。

 

寝台で眠る容若と翠雋の姿を目にする琳琅と皇帝。

容若は薬を盛られたと話しますが、翠雋が部屋にいたことは説明できません。侍衛と女官の私通は死罪なのですね。琳琅との関係がどれだけの壁に阻まれていたかを改めて感じます。

すぐに冤罪だと言って皇帝の元を訪れる琳琅や、容若らしくないと陥れられたことを確信する恵妃に、いかに容若が信用に足る人物なのかを痛感しますが、容若も翠雋も投獄されてしまいます。

 

翠雋は牢を訪れた琳琅に真相を告げます。容若は、翠雋の服を脱がせたところで自分が正常ではないことに気づき、翠雋に自分の頭を殴らせ失神させていたのですね。容若、お利口。とはいえ、翠雋が容若への憧れを口にしていたことや、かつて無理を言って書いてもらった詩は有罪を裏付ける証拠となってしまいます。そして、長慶が酒をすり替えたことで無実を示す証拠は出てきません。

 

この窮地に、恵妃は、翠雋に自分が毒を入れたと偽証するように求めました。一途に容若を思う翠雋ですが、そのような偽証をすれば当然命はありません。それでも、翠雋は偽証します。自分自身の潔白を主張している間も、容若の無実を懸命に訴えていた翠雋なら、そうしますよね。恵妃の行動も、これまで容若を守り続けていたことを思うと、責めきれません。でも、素直な翠雋が無実の罪をかぶる姿を見るのはつらいです。

 

翠雋を救ってもらうためなら何でもすると言う琳琅は、なんと、皇帝の前で服を脱ぎ始めました。え…。これ、皇帝はちっとも嬉しくないですよね。それどころか、見下された気持ちになるはずです。さらに、服を脱ぐ手が止まる琳琅。侮辱するつもりかと怒る皇帝がとてもまともな人に思えます。翠雋救出作戦、あえなく失敗。

 

次に琳琅は、宮殿の外で跪き始めます。皇帝が取り合わなくても粘り、小徳子に帰るように促されても止めません。雨が降ってもがんばりましたが、ついに倒れて容若に助けられました。

君の大切な友達なら私が助けよう、と言った容若。代わりに跪くのか、と思いきや、皇帝に翠雋との結婚を願い出ました。皇帝びっくり、琳琅もびっくり、たぶん皆びっくり。そして納蘭家の人々、がっかり。

 

翠雋、いい子ですよね。純粋な気持ちと前向きな明るさ、積極的なところがあるけれど立場はわきまえていて、心から相手を大切にする姿に、女性としてのかわいさを感じます。とはいえ、容若が翠雋を好むとは思えず、ここで賜っていただいても、翠雋が幸せになるようにはあまり思えません。

 

真実がわかっている範囲と、隠されている範囲がうまく準備されているので、適度に翻弄されつつも過度に振り回されることなく、楽しくはまりながら視聴中です。