天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

台湾ドラマや中華なドラマの感想を書いています。吳慷仁が好きです。

「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」第32話

「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」(寂寞空庭春欲晚)、第32話。一気にクズ化する皇帝に呆れつつ、今も変わらぬ容若に心魅かれます。

 

以下、ネタバレあります。

 

 

 

 

皇帝に死を賜りたいと言う琳琅。皇帝の側にいるのはつらい、愛を受け入れられない、解放してほしい、そう話す琳琅に対し、皇帝が出した勅命は、琳琅を「答応」とする。えー…、皇帝、最低だわ。皇帝という立場を使って、側室にしてしまいました。もう少し琳琅を待ってあげれば良かったのに。

 

長慶は、芸初を危険な目に合わせたくないからと距離を置こうとするものの、長慶から彼の過去のすべてを聞いた芸初は、彼を守るために動き始めます。人の頭を石で殴打してまで証拠となる長慶の鏢を奪い、長慶の腕に残る琳琅が噛んだ歯形を誤魔化すために人前で長慶の腕を噛み、健気に彼を守ります。

 

皇帝、予想外に狭量。

がっかりです。

酔っ払い、画珠を琳琅と間違えただけでもがっかりなのに、琳琅を前に、昨晩は画珠が夜伽をし気持ちよく眠れたと嘘をついてしまいました。なんて小さな男でしょう。さらに、当てつけのように、その場で画珠を常在にしてしまいます。もう本当に救い難い。

 

そんな皇帝に比べ、たとえ琳琅が愛する相手が皇帝であっても、ずっと変わらずに琳琅を守り続ける立派な容若。

ここを出たいと言う琳琅に、容若がもう少し待ってほしいと説明した時、琳琅は、信じる、と答えるのですが、この信じられる存在こそが、容若なのだと思います。

 

かつて自分が贈った指輪を眺める琳琅の姿に希望を見出したものの、必要ないと返されてしまい、当てつけのようにその指輪を画珠に贈る皇帝。さらなるクズ化です。そしてまたもや、琳琅の前で画珠を貴人にするという浅はかな手を使います。琳琅の嫉妬を期待しているのかもしれませんが、効果があるとはとても思えず、ここまで幼稚で狭量な態度に、もはや情けない気がしてきます。

 

画珠は自分が皇帝に利用されていると気付きます。それでも、画珠は出世のチャンスとして自分なりに進める女性なのかもしれません。多くの妃嬪の中でも強く生きられそうな画珠です。

 

ずっと琳琅を見守り続ける容若は、皇帝の仕打ちに消耗していく琳琅に気が気ではありません。容若の方が人として優しいです。できることなら、過去に戻り、容若と二人、宮廷を脱出して結ばれてほしい。

 

「大切にできぬのなら解放しては?」

容若がついに皇帝に盾を突きました。ああ容若、素敵。たとえ琳琅が大切でも、自分の思い通りにならなければ嫉妬を煽るように振り回す狭量な皇帝より、琳琅が別の男性を愛しても信頼できる存在として守り続ける容若の方が断然素敵です。容若の心の声、「これ以上傷つけるなら死を覚悟で連れて行く」にうっとり。

 

容若も、翠雋を娶りながらいまだに琳琅を想っているので、自ら妻にした元女官を受け入れないという面では皇帝と同じなのですが、容若が翠雋を娶ったのは、翠雋の命を救うためで、その点が決定的に違います。容若が申し出なければ翠雋の命はなかったのですから。薬やお酒の力で女官と結ばれそうになってしまう状況も容若と皇帝は似ていますが、容若が自らを殴らせることでそれを阻止するのに対し、皇帝は琳琅と間違えたまま眠り、琳琅への当てつけに女官を側室にしてしまうという点でも大違い。

容若の方が紳士的なのですよね。

ここまで、皇帝もかなり理解ある男性のようにふるまってきただけに、琳琅の気持ちを誤解しているとはいえ、一気にクズ化してしまいちょっと残念です。