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天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

台湾ドラマや中華なドラマの感想を書いています。吳慷仁が好きです。

「風中の縁」(の九爺) 第13話から第15話まで

風中の縁

「風中の縁(えにし)」(風中奇緣)第13話から第15話。LaLaTVさんの放送からはかなり離されてしまいました。

 

衛無忌は声がいいです。明らかにエディ・ポンの声ではなく、この顔立ちの人の声でもないと感じるものの違和感はなく、無忌に落ち着きと大人の余裕を与えてくれます。莘月も劉詩詩本人より高くかわいらしい声で役に合っています。詩詩の声は低く話し方も年齢以上に落ち着いていてとても好きなのですが、莘月や若曦にはこの声の方がいいですよね。

 

以下、ネタバレあります。

 

 

 

まだ九爺派ですが、誓いの言葉が“九爺の命に掛けて”から“愛する人の命に掛けて”に変えられたり、夢の中でその誓いゆえに命を狙われるのが無忌になったり、莘月の相手は無忌だと思わせるシーンが随所に登場し、結ばれない予感はもはや確信に変わっていきます。

 

莘月:私はただ単に九爺様といたいだけ。いつでもすべてを捨てられるわ。私は喬木となり九爺様を雨風から守りたい。

もうここで終わってほしい。

 

九爺は莘月を大事に思っているのに、心を抑えていて、見ていてつらいです。金銀花の別名は忍冬でもあるのですね。九爺は鴛鴦でありたい気持ちを抑えてひとり冬を耐え忍んでいるよう。莘月の率直な告白と求婚に、穏やかに「他の相手をみつけなさい」と言う九爺の表情がもうせつないせつない。莘月は彼の足が悪くても気にしないと言うし、実際気にしないことは九爺もわかっているはずですが、自分が彼女を守り、幸せにできるのか、その自信が持てない九爺が莘月を大切に思うからこそ彼女の思いに応えられない気持ちもわかります。

そこに土足で乗り込む無忌。相手ならここにいる、って、いつ来たんですか。

 

無忌は、莘月が自分には「金銀花」だと言った花が「鴛鴦藤」だと知り怒っていましたが、それを知ったということは、かなり前から立ち聞きしていたわけで。でも無忌なら許せる気がします。無忌は好意を明確に伝えているものの、けっして押しが強いわけではなく、細やかな配慮があります。無忌がいいのに、九爺が心を離さない。

 

莘月が九爺のもとを訪ね、九爺をどれだけ思ってきたかを伝え、あなたさえ望めば全力で助けられると話す場面は、こんな風に誰かを好きになれるって、たとえ辛くても幸せだと思ってしまいました。九爺も、自分の出自を語り、ようやく二人の気持ちが重なったかと思ったのに。九爺、すまない、って(涙涙涙)。それでいて、ひとりで莘月の誕生日祝いの麺を用意しているとか、煮え切らない九爺にさすがにイライラしてきましたが、ここで石風が聞いてくれました。「私にはまったく理解できません 莘月さんの好意をなぜ頑なに拒むのですか」。私も聞きたい。

羯族の血を引き、祖父の遺志を継ぎ砂漠の民を助ける使命、それによる皇帝からの牽制、石舫を再起させる責任と周囲の期待。九爺は、身体のことだけではなく、立場も不安定なんですね。この、大切な存在だからこそ危険にさらしたくない、守りたいから手放す、というのは、時に逃げに見えてしまうものですが、九爺については、努力や覚悟だけでは越えられない障壁があるので、息苦しくなるつらさです。

 

九爺にもらった笛を吹き、最後にそれを折って、彼を思う気持ちを書き留めた紅葉を入れた箱と共に置いていく莘月はいかにも女の子といった感じ。そんな莘月の気持ちを見透かしつつも、何も言えなかった、口を開けば君を引き留めてしまうのが怖い、と独白する九爺がこれまたせつないです。

家族を作れない、というのは、少し前にも出てきた言葉ですが、これは立場なのか、いずれにせよ結婚できない事情があるのですよね。二人の気持ちが重なったと思った直後に、九爺が莘月に家族が欲しいかを尋ね、莘月が嬉しそうに欲しいと答えるところが印象的でしたが、このとき九爺は、急に衛将軍の名前を出して不自然なまでに逃げた感じがしましたが、ここで繋がってきました。

 

莘月の九爺への思いは、初恋を思わせる純粋さです。莘月から見れば、好きになった相手に拒まれ、故郷に帰るところで、九爺を忘れるための時間に突入かもしれませんが、九爺の方は別れ際にさらに莘月の強い思いを知ってしまったわけで、ますます気持ちの整理ができなくなりそうです。

 

莘月に、二度と会わないでしょう、と手紙に書かれた無忌は、この手紙を最後にはさせないと攻めの姿勢。そして自ら莘月を探し当てます。積極的に動き自分自身で莘月のもとにやってくる無忌に対し、九爺は彼女を手放し、探すことはできても自分では追えない、この辺りの対比は、無忌が彼女を得る理由を暗示しているようです。

無忌は、九爺にもらった青い服を着た莘月を見初めたんですよね。今回も、九爺が莘月を手放したことで彼女との機会が訪れる。

この九爺と無忌の対比の描かれ方はおもしろいです。無忌の方がいいと思うけれど、やっぱり九爺が気になって仕方ない。