「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」第11話から第15話まで
「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」(寂寞空庭春欲晚)、切なくなってきました。容若、傷つきまくりです。
以下、ネタバレあります。
第11話の終わり、帰京した皇帝、祖母(太皇太后)、母親(皇太后)、まではいいとして、彼に挨拶をする大勢の妻(妃)。
こんなにいるのか!と思ってしまいました。
考えてみれば、皇帝になって数年たったこの人に妻がいないはずはありません。子沢山の康熙帝ですから、その数もそれなりに多くて当たり前。
でも、だったら琳琅は容若にあげてください。
立場上多くの妻を娶れど幼少期に出会った良児を思い続けていた、と解釈して「皇帝の恋」を見守れば良いのですが、整列する妻を見てしまうと、所詮は新しい女性に気持ちが移っただけという疑念が湧いてしまいます。
容若は琳琅に一途なのに。
臣下である容若にとって、琳琅を想うことは反逆。それでも引き下がれず皇帝の御前に出したくないと言う容若と、御前つとめをせず宮中を出たいと答える琳琅。
もうこの二人に結ばれてほしいです。
皇帝の祖母、太皇太后のお気に入りの恵妃は、容若のお姉さんだったのですね。
そして容若と琳琅を引き裂いたのも恵妃。
容若に自由はありません。
「琳琅なしでは生きられない」
姉に向かって容若が放った言葉に魅かれつつ、容若の不幸を予感します。
姉、恵妃は、二人が思い合っていることを知りながらも、納蘭家の跡取り息子、容若の出世のために琳琅を宮中に送り、二度と会わないと約束させていました。最初の方で琳琅が容若に見つからないように避け続ける場面が多くあり、ここまでして避ける理由にピンと来ないものがあったのですが、「容若のために」と約束させられていたのですね。
恵妃の行動は、弟のためにも家のためにも正解かもしれませんが、姉弟二人の関係が良さそうなだけに、つらくもあります。容若と琳琅の縁を認め、最愛の弟が傷つき苦しむ姿を見たくないからと手を差し伸べる恵妃はいかにも姉という感じです。
とはいえ、琳琅が生きていることが明るみに出れば危険な納蘭家。恵妃にとっては、夫である皇帝を奪いかねない存在でもあり、弟への思いがどのような形になるのかは読めません。
このドラマは、琳琅の仲間の女官たちが皆きれいで、けばけばしくないところも好感が持てます。性格はそれぞれながら、裏で暗躍するほどの悪人もなく、さほどドロドロしていません。3人組は、思う相手が、皇帝、容若、長慶と分かれているので先々も安心です。
中でも、無邪気に長慶を慕う芸初はかわいらしいです。長慶を想う姿はあまりに一途で幼さを感じますが、長慶の心が傾くのも芸初の純粋さがあればこそ。復讐だけにすべてを注いできた長慶が妹を彷彿とさせる芸初に魅かれていく姿は見る側としても心ひかれます。この二人はお互いを大切に思う姿がとてもよいのですが、いかにも悲恋に終わりそうなカップルなので今から心配です。
良児との思い出を追い求め、琳琅の失われた記憶を呼び起こそうと必死な皇帝。これだけ熱心に情報を集め、対策を練る姿を立て続けに見ていると、公務は大丈夫なのかと思ってしまいます。
皇帝の尽力もあって、徐々に過去の記憶が戻ってきた琳琅は、容若が自分を騙していたのではないかと疑い、二人の関係がすれ違い始めます。皇帝を守ろうとした琳琅の姿も容若を不安にさせたはず。容若にしては珍しく嫉妬心が垣間見えます。
でも、基本的に、容若が過去を隠し続けるのは琳琅のためなので、本心を話せない容若は見ていてつらいです。琳琅の家族は、皇帝の命令によって琳琅の伯父でもある自分の父親が殺した、そんなことを思い出し憎しみに満たされても彼女は幸せではない、そう考える容若は、過去を隠すことはもちろん、幼少期から行動としても彼女を守り続けているわけで、初恋を成就させるためにノリノリで過去を明かそうとする皇帝より立派です。
皇帝が葉三であると思い出したと言う琳琅に、皇帝との会話に割って入ってまで、他には?と尋ねる容若に、つくづく、彼が心配しているのは琳琅が傷つくことなんだなと思いました。
そんな容若に向かって、真実を隠すなら一緒に行けない、という琳琅。つらい。
琳琅が皇帝との幼き日を思い出した今、容若が隠している真実は、皇帝の命令によって琳琅の家族が殺されたことだけです。もちろん、手を下したのは容若の父ですし、良児を琳琅として育てたことが明るみに出れば納蘭家の人々は皆、命を奪われるに違いなく、納蘭家のためにも秘密を守る必要はありますが、容若が真実を隠し続けるのは、ただ琳琅を守るため。
ところが、容若はその琳琅に不信感を抱かれてしまいます。
誰よりも信じてほしいはずの相手に誤解される容若が気の毒でなりません。
さらに運の悪いことに、琳琅は、納蘭逸がかつて自分を殺そうとしたことも思い出します。ここで、その危機を救ったのが容若、という部分もセットで思い出してくれればいいものを、なぜかそこは思い出さない琳琅。
琳琅に詰め寄られた容若は、琳琅が真実を知った後のことを憂い、嘘の告白をします。
自分が琳琅の仇であり、罪滅ぼしで優しくした、隠したのは自分が恨まれると思ったから。そんな悲しい嘘をつかないでほしいです。容若の、仇を討ちたいなら自分を殺せ、という言葉は、皇帝をかばう意味もあるわけで、容若、そこまでしなくても、とつらくなります。もういったい何回「つらい」と書いたでしょう。容若、つらすぎる。
もうすでに心がズタズタと思われる容若でしたが、ついに身体も刺されてしまいました。それも琳琅に。
自分を殺してもいい、ただしこれ以上詮索せずできるだけ遠くに行け、って、どこまで琳琅を守るつもりなのか。
とどめのように琳琅に梨の花の首飾りも投げ捨てられ、花は割れてしまいました。
容若、いったいどこまで追い込まれるのでしょう。
皇帝は、琳琅が葉三との過去を思い出したことですっかり喜びモードでしたが、琳琅の心にすでに別の人がいたと知り、一転、傷心モードに。でも、皇帝だし、容若ほどの苦悩じゃないし。この先、琳琅が好きだった相手は容若と知った時に皇帝は打ちひしがれるのだと思いますが、今は皇帝にもこのくらいはがまんしてもらいたいです(容若派)。
そろそろ真実が明らかになり、それにより琳琅が皇帝との関係に悩むのかと思っていましたが、容若が嘘の告白をしたことで、しばらくは皇帝との距離を縮めて行かれそうですね。
容若を演じる張彬彬について、前回、クセのある顔のままでいてほしい、と書きましたが、残念ながらすでに、容若時より目が大きくなられているようです。まあ仕方ないですよね。
お直し疑惑の記事に10代の頃かと思える写真があり、かっこよくないとされていたのですが、その写真、確かにかっこ悪いのです。でも、顔のパーツをよく見ると、もしかすると鼻筋を整えたのかなという程度で、容若と変わりなく、問題は髪型と服装と眉毛。特に眉毛の整え方があまりにも下手で、逆の意味で再び、眉目秀麗とはよく言ったものだと思いました。眉毛、本当に大事です。
大陸のドラマで見る俳優さんのほとんどが、ある程度は手を加えている(ように見える)時代ですから、微調整はもはや必須なのかもしれませんが、個性的なルックスが好きなので、できるだけ天然のままでいてほしいです。
今月から日本放送が始まったジェン・シュアン(鄭爽)主演の「シンデレラはオンライン中!」(微微一笑很傾城)のオープニング映像を見ていたら、なんと容若が。あの眉毛のおかげで容易に発見できました。一瞬しか映らないのに。出番は少なそうですが、琳琅と一緒に出られて良かったです(毒されています)。