天天晴天:台湾ドラマと中華なドラマ

台湾ドラマや中華なドラマの感想を書いています。吳慷仁が好きです。

「一把青」の郭軫3

台湾の公視で放送中の「一把青」は、先週、第13話と第14話が放送されました。たいてい、放送の翌日には翌週分の予告編がアップされていたのですが、今回はまだアップされていません。もしかして第16話がいよいよその時だからなのかとつい勘繰ってしまいます。吳慷仁演じる郭軫がいつまでいてくれるのか、別れの時が少しでも遅くなってほしいです。

 

昨日、「新春追劇!一把青A Touch of Green完整版 隨點隨播免費看」として、Yahoo奇摩において放送済みの第14話までが視聴できるようになりました。新春、とあるので、期間限定なのかもしれませんが、こうして視聴できるのは嬉しいです。昨夜から時間をみつけては観ていますが、あらためて郭軫の変化を感じます。

 

今回は少し、具体的なことを書いていますので、ご承知の上ご覧ください。

 

第11話で郭軫と共に生きる覚悟を決めた朱青。覚悟を決めた女の子は強いです。彼の手を引き、自分にしっかりついてこい、と言っているのは朱青の方なのです。もともと堅強な朱青でしたが、もう、彼女に女学生らしさはありません。そして、そんな朱青といる郭軫はほんの子供のようです。郭軫は、何があっても、朱青のもとを離れることなく、彼女と共に居続けるのでしょう。

 

郭軫が子供に見えるもうひとりの相手が、大隊長の妻である師娘です。師娘は郭軫にとって母親代わりなのでしょうね。演じているのが楊謹華なので、外見は姉弟のようですが、戻ってすぐに立ち寄りご飯を食べさせてもらったりお金を借りたり、何かあると頼るのはいつも師娘です。投獄された郭軫は面会に来た師娘に、お金を持っているか聞き、ご飯を食べていないと言って彼女にお金を渡してもらい饅頭らしきものをようやく食べるのですが、このときの郭軫の表情は、無防備な子供のようです。

 

あらすじが分かっているドラマを見ることは、けっして稀なことではありません。朱青を演じた連俞涵も、ロミオとジュリエットみたい、と言っていましたが、有名な古典や歴史ものは結末がわかっています。朱青の人物紹介にも、永遠の別れ、などと書かれていて、必ず別れがやってくるのです。でも、つらい。

 

すでに二人だけで固めの杯を交わしていた二人ですが、第14話で、ついに結婚します。この回はたくさん心に残るシーンがあり、もうここで終わってもらっても…。内戦が迫る中、夫になった郭軫は、朱青を守る男性に変化しています。朱青も、あの勇ましさはなく、不安を口にし彼を頼ります。郭軫が、君のために必ず帰ると言うのもこの回。ふたりの幸せなシーンもこの回。幸せな朝を天心にじゃまされる微笑ましいシーンもこの回です。

二人の結婚式は、結果的に教会で行われます。これは、本当にうまいストーリー展開だと思いました。本来は、後輩と共に、空軍の中で、空軍のやり方で結婚するはずでしたが、混乱により、朱青と郭軫の結婚式は中断されてしまいます。郭軫は、結婚式を完了させるために、大隊長に早く最後の言葉をと催促するものの、結局、大隊長はその言葉を言えないまま、二人は混乱の中、その場を逃れます。ところが、混乱を逃れた二人は、朱青がいた学校の教会に逃げ込み、そこで誓いの言葉を交わすのです。この二人が、軍ではなく、教会で、神の前で誓う、ということには、深い意味を感じずにはいられません。

 

この二人に、別れが訪れてほしくないです。

 

郭軫はまたさらに魅力的になってきました。花花公子の一面を見せていた序盤の彼とも違いますし、内なる弱さや不安定さ、子どものような心を見せていた時期とも違います。朱青の夫となった郭軫には覚悟を決めた強さのようなものを感じます。

 

さて、第14話からは小顧(鍾承翰)が登場しました。放送直前にドラマ公式FBが彼の登場に触れたところ、小顧を待っていたという声がある一方で、彼が登場するということは郭軫がまもなく去っていくことだと知っている視聴者からは、郭軫にいてほしい(ので不要小顧)という声が寄せられ、双方の元気な意見がちょっとかわいらしかったです。さすがにこの時点では郭軫派が多かったのですが、ドラマが終わる頃にはどのように変化するのでしょうか。もちろん郭軫が皆の心に残り、そこにいなくなっても支持され続けてほしいのですが、小顧もその運の無さと一途さ、そして鍾承翰のかっこよさで視聴者の心を掴むのではないかと思います。

 

小顧を演じる鍾承翰は現在32歳。身長185センチという長身で、誰が見てもかっこいいと思うに違いないモデル出身の俳優です。番宣活動を見る限り、明るく爽やかな雰囲気で、穏やかな優しさを感じさせます。楊一展、藍鈞天、吳慷仁と並んで登場した時にはちょっと控えめに対応するなど、空気も読む好青年。ちょうど1年ほど前に10年間交際した女性と結婚されたと記事になっておりました。

 

吳慷仁とはまったくタイプが違いますね。いろいろと。

 

小顧の人生も興味深いです。でも、やはり吳慷仁の郭軫。彼が鮮烈に残したものが、彼が去ったのちにどのように影響し続けるのか、後半の郭軫の存在感が気になります。

 

原作「一把青」自体が時代背景あっての作品ですので、時代そのものに関心が向けられるのは当然のことで、時代、その時代に生きた人々、現代との繋がり、いくつもの観点でみることができるドラマだと思います。時代背景の理解も必要ですし、わかることは限られますが、わかる範囲で、郭軫という人をみていきたいと思います。